アサシンクリードⅡとボルジア
ドラクエ11のプレイ時間が100時間を超えた。ネトゲではないシリーズナンバリングとしては8年、据え置きでのリリースは実に13年ぶりのドラクエということで大きな期待を背負っていた同作だが、期待に裏切らぬ面白さである。後日感想をかければと思う。
私は、ゲームではRPGが大好物だが、アクションゲームもプレイする。最近した中で面白かったのがアサシンクリードⅡである。
アサシンクリードⅡはルネサンス期イタリアが舞台としている。レオナルド・ダヴィンチとか、薬を意味するメディスンの語源となったメディチ家とかいる時期だ。
このアサシンクリードⅡでは最終的に悪政をしいているローマ教皇:ロドリゴ・ボルジアを倒す(ネタバレ)のだが、ボルジアというのは実在した一族である。(最も、本ゲームの登場人物はボルジア家に限らず、実在した人物を元に描かれているが)
実在した、といことで彼らについて記された本が当然ある。今回は知っているとなおゲームが面白くなる本を紹介する。
チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷
それが、塩野七生著の『チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷』だ。
この本は史実に基づき、ロドリゴの息子、チェーザレがそのカリスマ性と権謀術数を用いてイタリア統一を目指す話である。
このチェーザレ、野望の実現のためには兄弟姉妹に従者、教皇である父でさえも、その残虐さとカリスマ性をもって利用するだけ利用する。肉親であっても命を奪う事をためらわないその姿は、マキャヴェリの理想の君主の姿かもしれない。
だが、本書を読んでいると、戦国時代さながら、野望実現に向けてすすんでいくチェーザレに同調し、気分が高揚してくる。ゲームでは的だが、小説では主人公のチェーザレ。読んでみると器のでかい男だと思う事必定である。近くにいてほしくはないが。。
他にも
ボルジア家以外にも、知ると面白い魅力的な人物はいる。
アサシンクリードⅡにはカテリーナ・スフォルツァという女領主が登場する。彼女は一領主として実に豪気な振る舞いを見せてくれるが、スフォルツァ家は傭兵出身の成り上がり一族だ。
今のイメージでは軍隊というと国直属とか王直属のイメージがあるが、平時は生産を行わないただの金食い虫。それゆえ、大規模な軍組織を常時持つ事は財政的に難しく、ゆえに必要な時にだけ費用がかかる傭兵が主力の一端を担っていた。
軍事力があるというのは、当然政治に影響力もあるわけで、名のある傭兵隊長だったフランチェスコ・スフォルツァはミラノ公として貴族に成り上がっていった。
ちなみに、スフォルツァは多くの傭兵に成り上がりの夢を見せたが、当のスフォルツァは文字通りこの成り上がりを空前絶後とすべく、後に続こうとする傭兵をバンバンと潰していたらしい。権力確保に余念がない。頂点はつねにひとつ。
ここらへんは菊池良生著の『傭兵の二千年史』の一節にも描かれているので、興味がある人は読んで頂きたい。
映画でもゲームでもマンガでも、良い作品はそれ自体が面白いが、
さらにその背後にあるストーリーでなお面白く感じられれば、一粒で二度美味しく感じられてお得である。