'アウトプット練習帳'

アウトプット練習帳

アウトプットの練習をするブログ。呼んだ本や勉強内容、なんてことはない毎日について記す。まずは3回以上の更新を目標に。。

双頭の鷲

最近は本当に雨続きで参る。この間の土曜日は雷雨にあい、洗濯物が悲惨なことになっていた。天気予報を見ていたつもりでも、とにかくずっと天気が悪いから干さざるをえないという罠。

ドラゴンクエスト11が面白い

そんな天気なことと、仕事がやや空いていることもあり、ここ最近は専らドラクエ11を行っていた。堀井氏は集大成と宣っていたようだが、その分だけあり、既に100時間ほどプレイしていた(まだ裏ボスまでいっていない)。
私のドラクエプレイスタイルは脳筋主人公で物理ごり押しで、バイキルト&ルカニで全心全力斬りでダメージを出すのが好きであったが、カミュの分身&タナトスハントでもえらいダメージが出る。昔よりもコンボというか、戦略の幅が広がってきたなーと思う。

そんなドラクエだが、主人公を「悪魔の子」として誹り、その命を狙う国:デルカダールでは双頭の鷲が王国の紋章としてまつられている。現実でも双頭の鷲は紋章として用いられているが、双頭の鷲というモチーフは近代ドイツやロシアでも国章として用いられていたが、どうやらたいへん長い歴史を持つらしい。今回は双頭の鷲について、少し調べてみようと思う。

双頭の鷲の歴史

f:id:k_lawson:20170821200112j:plain

         ウィーンの象徴 双頭の鷲 (sanamoo氏:https://www.photo-ac.com/

 双頭の鷲の確認される初出は、なんと紀元前3800年前のシュメールらしい。シュメールといえばある同人ゲームで人気を博す金ぴかチート英雄王が思い浮かぶが、彼は紀元前2600年頃の人物といわれている。
双頭の鷲はシュメールはもちろんだが、人類で始めて鉄器を用いたヒッタイトでも使用された。メソポタミア文明の礎を気づいたシュメールはどこからか来てどこかへ消えて行ったと言われるほどミステリアスな民族だが、その民族が用いていたモチーフを鉄の技術で隆盛を誇ったヒッタイトが用いる様になったのはどことなくドラマを感じさせる。

その後時がたち、双頭の鷲は13世紀の東ローマ帝国の国章となった。もともとローマ帝国では単頭の鷲が象徴であったようだが、東西に分かれたローマ帝国だが、鷲の2つの頭は東と西の支配権を意味していたとのことだ。東ローマ帝国は15世紀半ばにオスマン帝国によって滅ぼされるが、双頭の鷲はロシア、東ヨーロッパに伝わり、ロシア帝国でも採用された。

東ローマは滅びたが、西ローマ帝国神聖ローマ帝国と名を変えて生き残っていた。そして、この神聖ローマ帝国も、自国が古代ローマ帝国の後継の自負があるため、国章として双頭の鷲を採用した。神聖ローマ帝国の帝位を牛耳ったオーストリアハプスブルク家も家紋として双頭の鷲を採用した。

ハプスブルク家

ちなみにこのハプスブルク家はもともとスイス北部・フランス国境部アルザス地方の辺境諸侯であった。神聖ローマの皇帝は、選定侯と呼ばれる7人の諸侯から推挙された人物がなる。できるだけ操り人形が欲しい選定侯たちは、田舎貴族に目をつけ、初代皇帝、ハプスブルク家のルードルフ1世を推挙したのである。だがしかし、このルードルフ1世はなかなかのやり手でうまく操れなかったらしい。選定諸侯は無理難題を押しつけ、それ以外にもミュールハウゼンのような自治意識の強い都市の反発でが強かったようで、同家は東の地、オーストリアに居を移したとのことである。

神聖ローマ帝国オーストリアを中心とし、ドイツ・チェコハンガリースロバキア等広大な範囲を統治していたが、ナポレオンの台頭によって滅亡した。
以降はオーストリア=ハンガリー帝国として引き続きハプスブルク家が統治するも、ナショナリズムの高まりを受け、第一次世界大戦で瓦解し、神聖ローマ帝国の系譜は完全に断たれることとなる。

このハプスブルク家については、江村洋氏の本、「ハプスブルク家」でルードルフ1世から帝国滅亡まで各時代の皇帝が紹介されている。

双頭の鷲が象徴するもの

話が少しずれたので双頭の鷲に話題を戻そう。
シュメール時代は置いておいて、つまるところ、ヨーロッパにおける双頭の鷲というのは、古代ローマ帝国後継の象徴であり、ブランドであったらしい。イスラム共同体に押しやられていた中世では、なおさら栄華を誇った古代ローマ帝国というのはヨーロッパ人の心をとらえ、憧れがもたれていたのだろう。

ドラクエで用いられたのは、どういった意味か考えたが、あんまりうまい考えが思い浮かばない。
ただ、上記の様に双頭の鷲には歴史が有り、ブランド力もあることから、単に歴史あるヨーロピアンな強国イメージとして、デルガダールの象徴に採用されたというのは可能性のひとつとしてありうる。

ルーレットをまわしてスペクタクルショーでメタル狩りをしながら、ふとそういったことを考えていた。はやく邪神を倒さないと。。。